中国語の各種検定試験(中国語検定/HSK/TOCFL)について[台湾留学]
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最終更新日:2016/07/18
台湾留学・中国語
こんにちは、台北に語学留学したkeddyです。
台湾に留学し中国語を勉強する人達の中には、「中国語の資格試験を受けたい」という人もいるのではないのでしょうか。
資格があれば自分の能力の証明になりますし、就職や大学進学などに有利ですよね。
しかし、中国語の資格試験と言っても色々あります。
初めは何を受ければいいのかわからなかったり、「そもそも台湾で受けられるのか?」という疑問を持つ人も多いはずです。
今回はそんな人のために、中国語の資格試験で有名な、
- 中国語検定
- HSK
- TOCFL
以上の3つの試験について、
特徴・費用・台湾で受験できるか・メリット・デメリット・どういう人がその試験に向いているか・私の体験談など
を詳しくまとめました。
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1.中国語検定
日本で一番良く聞く、日本の中では一番ポピュラーなのが「中国語検定」ではないでしょうか。
中国語検定とは
「日本中国語検定協会」が実施している中国語の試験です。
要するに日本が作っている中国語の試験ですね。
試験は準4級・4級・3級・2級・準1級・1級の6段階あり、一番難しいのは1級です。
特徴
- 問題文(「以下の選択肢から選びなさい」など)は日本語
- どの級にも級にも中国語→日本語,日本語→中国語への翻訳がある
費用
費用は日本中国語検定協会のホームページによるとこのようになっています。
級 | 人民元 | 日本円 | |
郵送による申込 | インターネット申込 | ||
準4級 |
160元
|
3,100円
|
3,000円
|
4級 |
190元
|
3,800円
|
3,700円
|
3級 |
250元
|
4,800円
|
4,700円
|
2級 |
360元
|
7,000円
|
6,800円
|
準1級 |
400元
|
7,700円
|
7,500円
|
1級(11月のみ) |
450元
|
8,700円
|
8,500円
|
台湾からの受験は日本円での支払いになります。
台湾で受験できるか
できます。会場は台北です。
日本中国語検定協会のホームページで、受験申込→海外からの申込→インターネット申込
からインターネットで申し込むことが出来ます。(受験料お支払いは日本円です。)
インターネットでなく直接申し込みたい場合は、海外からの申込のページをご参照下さい。
中国語検定のメリット
- 日本で知名度NO.1
- 日台翻訳・通訳の勉強にもなる
- 文法の基礎が固められる
- 台湾でも受験できる
中国語検定には日本語⇔中国語の翻訳の問題もあるので、翻訳や通訳の勉強にもなります。
また文法をわかっていないと間違うような痛いところを突いてくる問題が結構あるので、ちゃんと勉強すれば文法の基礎が固められます。
中国語検定のデメリット
- 試験が簡体字なので台湾留学で勉強した人は、別途自分で簡体字も勉強する必要がある
台湾で中国語を勉強すると、繁体字での学習になります。
なので台湾で中国語を学習した人にとっては簡体字は見慣れないため、自分である程度簡体字を勉強する必要があります。
大変ですが、そうすることで繁体字と簡体字の両方使えるようになるので、中国語の能力はアップします。
ちなみに2級からは筆記の試験で文章を書く場合、繁体字で書いても大丈夫になっています。
こんな人におすすめ!
- 日本で中国語を使った就職をしたいと思っている人
- とりあえず中国語の資格を何か取っておきたいと思っている人(準4級)
日本で就職を考えているなら、日本で知名度の高い中国語検定をお勧めします。
また、中国語検定には超入門編の「準4級」という級があり、問題文も日本語でとっつきやすいので、中国語入門者にはお勧めです。
備考
中国語検定の1級の難易度はヤバいです(笑)
1級のレベルは「高度な読解力・表現力を有し、複雑な中国語及び日本語(例えば挨拶・講演・会議・会談等)の翻訳・通訳ができること。」とありますが、
1年に3~7人程しか合格者がいないとか、プロの通訳でも合格が難しいとか言われているとんでもない級です。
直近の第84回の試験の合格率は3.5%です。
私も参考書を持っており過去問を見てみましたが「ピャー!」という感じで、中国語ネイティブの台湾人ダーリンですら難しいと言っていました(笑)
なのでプロの通訳を目指さない限りは2級~準1級を持っていれば十分です。
私は今準1級の勉強を頑張り中です。
2.HSK
HSKとは
HSKは、中国政府が公認する中国語の試験です。
日本が作っている中国語検定と違い、こちらは中国が作っている資格試験になります。
1級から6級まであり、6級が一番難しいです。
特徴
- 試験の内容は中国語を用いたコミュニケーション能力の測定に特化している
- 問題文もすべて中国語
- 中国語による設問に中国語で答えることを求めていて、中国語の運用能力のみを問うものであり翻訳能力は問われない
費用
費用はHSKの公式ページによると以下のようになっています。
[筆記試験]
レベル | 級 | 受験料 |
---|---|---|
6級 | 9,504円 | |
5級 | 7,992円 | |
4級 | 6,264円 | |
3級 | 5,184円 | |
2級 | 4,752円 | |
1級 | 3,672円 |
[口頭試験]
レベル | 級 | 受験料 |
---|---|---|
高級 | 7,344円 | |
中級 | 5,832円 | |
初級 | 4,752円 |
台湾で受験できるか
できません。中国との関係が悪いので仕方ないですね・・・。
これは台湾での中国語学習者にとってはかなり残念です。
以前私が文化大学で学習していた時に1度「HSKが受験できるようになる!」という話が出たことがあり、学生たちは申し込みまでしたのですが、
結局やはり中国と台湾の政治的な問題で受けられなくなってキャンセルになりました。
あの時はかなりグダグダでしたが、今後ももしかするとそういう事があるかもしれません。
台湾でHSKを受けたいという学生が多いので学校側も頑張っているようなのですが、やはり政治的な問題は大きいようです。
ちなみに文化大学にはHSK対策の簡体字の授業もあったので、将来日本に帰ってHSKを受けたいという人は受講しておくといいと思います。
HSKのメリット
- 世界的に知名度が高い(全世界で875か所以上、114の国と地域で実施されている)
私が台北留学中に出会った外国人の学生はHSKを知っている人が多く、将来は中国や母国に帰って受けたいと思っている人も沢山いました。
中国や海外で働くという場合は、HSKが重視されるでしょう。
HSKのデメリット
- 日本での知名度が中国語検定より低い
- 台湾で受験できない
- 試験が簡体字なので台湾留学で勉強した人は、別途自分で簡体字も勉強する必要がある
日本国内でHSKは、中国語検定に比べるとまだまだ知名度が低めです。
最近では知名度が上がりつつありますが、地方都市での就職ではまだあまり知られていないこともあります。
(日本の地方住みの友達が就職活動の際にHSKしか持っておらず、その面接官がHSKを知らなかったので「中国語検定持ってないんだね」と面接を落とされたことがありました。)
こんな人におすすめ!
- 中国で留学・就職したいと思っている人
- 海外で中国語を使って働きたいという人
将来中国で働きたい、留学したいと思っている人は中国語検定よりもHSKです。
世界で一番知名度のある中国語資格はHSKですので、日本で就職ではなく海外で活躍したいという方は、HSKがいいと思います。
備考
個人的にはHSKのほうが、中国語検定より簡単だと思います。
HSKの一番難しい級は6級ですが、中国語検定2級の私がHSK6級の問題をやってみて合格ラインが取れるくらいです(個人差はあると思いますが)。
HSKは選択問題が多いので文章を速く読む能力が求められますが、日台翻訳は無く筆記も少ないため、書くのがあまり得意ではない私のような人はHSKのほうが簡単だと感じることでしょう。
ちなみに私はHSKが台湾で受験できないため、過去問の5級と6級を自分でやってみて、「意外といけそうじゃん☆」と自己満足で終わりました(笑)
実際にHSKを受けるとなると、日本に帰って試験を受けるか、中国まで行くかしなければいけません。
台湾在住者でわざわざ中国に行ってHSKを受けていた人もいましたが、それもめんどくさいですしね・・・(笑)
3.TOCFL
TOCFLとは
台湾の「国家中国語能力試験推進委員会」がやっている中国語の試験です。
レベルは3クラス(Band A、Band B、Band C)6レベル(Level 1、Level 2、 Level 3、 Level 4、 Level 5、 Level 6)に分かれています。
費用
費用はTOCFL(sc-top)の公式ページによると以下のようになっています。
中国語聴解試験 + 中国語読解試験 各レベル均一新台湾ドル1600元
中国語スピーキング試験 各レベル均一新台湾ドル1200元
中国語ライティング試験 各レベル均一新台湾ドル1200元
台湾で受験できるか
できます。
詳しい申し込み方法はTOCFL(sc-top)試験申し込みをご覧ください。
TOCFLのメリット
- 繁体字なので台湾留学で勉強した人は見慣れている
- 台湾の語学学校などでも簡単に受けられる
台湾で中国語を勉強している人には見慣れている繁体字で試験が受けられるので、簡体字が苦手・もしくはわからないという人でも大丈夫です。
語学学校で勧められることも多く、語学学校に通っている人なら簡単に申し込みできる機会は多いと思います。
TOCFLのデメリット
- 日本・海外での知名度が低すぎて日本・海外での就職には使えない
TOCFLの知名度は日本や中国を含む海外ではかなり低いです。
低すぎて、面接官はきっとほぼ誰も知らないと思うので就職にはあまり役に立ちません。
私も語学学校で初めてTOCFLの存在に気づいたくらいです(笑)
こんな人におすすめ!
- 台湾で現地採用で就職・もしくは大学進学したいという人
- 台湾で習った中国語の力試しをしたい人
台湾で現地採用での就職ではTOCFLを見られることもあり、大学進学の場合は大学の課によっては外国人の入学条件でTOCFLが要るところもあります。
台湾で現地採用や大学は考えていないという人も、中国語の自分のレベルを知る力試しに使えます。
まとめ
中国語の検定試験はやればやるだけ賢くなるので、どの試験もやって無駄になるという事はありません。
しかし中国語検定とHSKは完全に中国大陸の人が使う中国語の問題になっているので、台湾で中国語を学んだ人にとっては慣れていない分少し難しいと感じるかもしれません。
リスニングも大陸独特の巻き舌炸裂なので、注意して聞いていても「ハァ!?」となることが多いです(笑)
(台湾と中国の中国語は繁体字と簡体字が違うだけでなく、言い回しや使う単語や文法なんかも少し違います)
そして、台湾で中国語を学習した人が中国の試験問題をやりすぎると、どんどん中国人ぽくなって行き、台湾ぽさが無くなる可能性がありますので、ご注意ください(笑)
中国語検定の問題を見た台湾人ダーリンに「それやったら超中国人になるよ!」と言われた私です・・・(笑)
★私が個人的に好きな中国語検定の参考書はこのシリーズです。
他のも買ったことがありますがやっぱりこれが好きで、4級から2級まで全部これで勉強して合格しました。
今はこれの1級・準1級の(分厚い!)で勉強しています。