外国人と結婚し海外に住むということの現実。国際結婚前にしておきたい覚悟の話
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国際恋愛・結婚
こんにちは、台湾人と国際結婚し、台湾に住むkeddyです。
私は今、祖母の葬儀のため日本に緊急一時帰国しております。
祖母は、末期ガンでした。
私は台湾に住んでいるので、祖母の容態が急変してから亡くなるまでの短い間に駆け付けることが出来ませんでした。
生前私たち孫にとても良くしてくれた祖母は、私がダーリンと結婚したことをとても喜んでくれた人でした。
ダーリンと初めて会ってもらった時には「良さそうな人で安心したわ」と言ってくれて、ダーリンのことをとても気に入ってくれていました。
祖母は、「keddyちゃんたちが将来日本に帰国したときには、一緒にお茶したりお出かけしたいわねぇ」と言ってくれて、私たちの帰国を心待ちにしてくれていました。
しかし、祖母が生きている間に日本に住むことは、叶いませんでした。
結婚式も日本では挙げられなかったため、祖母にはドレス姿を見せてあげられませんでした。
温泉へ連れて行ってあげると約束したのに、口だけになってしまいました。
あまり一緒に時を過ごせませんでした。
祖母は私に色々な事をしてくれたのに、私は何も返せないまま亡くなってしまいました。
私が祖母にしてあげたかったことは山ほどありました。
後悔がありすぎて、悔しくて、涙が止まりませんでした。
台湾人の嫁になり、台湾で生活することを選択したのは自分です。
台湾人ダーリンについて行くと決めた時点で、色々覚悟は決めていたつもりでした。
しかし、実際に事が起こってみると、やはり辛く悲しいものです。
今回の祖母の死を受けて、「自分の家族と沢山の時間を過ごせないまま、最悪死に目にも会えない。これが海外に住むということなんだ」と改めて感じております。
外国人と結婚し外国で暮らすという事は、最愛の旦那様と一緒に居られるのですから、もちろん沢山楽しい事もあります。
しかし、外国人に嫁ぎ、その家族となって母国を離れて暮らすというのは、楽しい事ばかりではありません。
直面しなければいけない辛い事も沢山出てきます。
今回は少し重い話題になりますが、国際結婚で外国人と結婚し海外に住むにあたって、結婚前にしておきたい覚悟の話をしたいと思います。
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台湾人に嫁ぎ、台湾に住むということ
台湾は、日本人にとってとても住みやすい国です。
台湾人は女性、子供、お年寄りに優しく、外国人にも優しいです。
日本人に対しての差別が無いので、日本人だからと言って生活上嫌な思いをすることは殆どありませんし、
多くの台湾人は日本人に対してとても親切です。
物価は台北はとても高いですが、地方に行けばそうでもなく、医療費はとても安いです。
治安は良く、女性が夜活動しても問題ないほどです。
食事はローカルな台湾料理も美味しいですし、安いテイクアウトのお店が沢山あります。
日本食が恋しくなったら日本人のオーナーがやっている、日本と同じ味のものが食べられる日本食レストランもあり、お金さえ出せば日本の食材も手に入ります。
日本食は値が張りますが、とはいえイギリスやアメリカ・オーストラリアなどで日本食を買うのに比べたら全然良いほうです。
都市部は地下鉄・バス・電車が便利で交通費も安く、コンビニが沢山ありちょっとした買い物も便利です。
こんなに住みやすい台湾ですので、台湾人に嫁ぐことになったとしても、案外平和に生きていけます。
特に「治安が良く、台湾人が日本人に優しい」というのは大きく、国際結婚と言ってもそこまでハードモードではない気がします。
台湾は海外の国の中でも、平和に楽しく暮らせる度がかなり高いんじゃないかと個人的には思っています。
しかし、台湾人に嫁ぎ、台湾人の家族となり台湾に住むという事は、期間限定で基本的には一人で住む留学やワーホリとはまた違います。
台湾や台湾生活が好きな人であっても、結婚前にはそれなりの覚悟をしておく必要があります。
日本の生活クオリティを捨てる覚悟が必要
台湾から日本に一時帰国して思うのが、日本には安くて良いモノが溢れており、私たち日本人は幼いころからそういうものに囲まれて生活してきたのだという事です。
久しぶりに日本に帰ると、むしろ質の悪いモノなんて売っていないんじゃないのかと思うほど、日本に売っている全てのものの質が良く思えます。
しかも質に対しての値段が安いです。
日本では最新の便利な家電が安く手に入り、服を買いに行けば安いのに生地もしっかりしていて糸がほつれているなんてことはなく、
スーパーには安くて新鮮な肉や魚、主婦に優しいお惣菜や便利グッズが売っています。
安い賃貸の家を借りても、当たり前のようにキッチンとお風呂(バスタブ)があります。
車も国産の安くて良い車が沢山あります。
それに比べて台湾では、ものの値段と質が比例しています。
安くて更に質まで良いなんてモノはほぼ無く、安いものは安かろう悪かろうで、値段の高い物の質は良いです。
なので、安くて良いモノばかりが売っており、高いモノのクオリティはそれよりも更に良いという国である日本と同じようなクオリティの生活を台湾でしようと思うと、お金が尋常じゃなくかかります。
台湾で安い賃貸にはキッチンはありませんし、お風呂もバスタブは無くシャワーだけです。
日本のような生地のしっかりしていて縫製もきれいな服は物凄く高いですし、
台湾人がシンプルな服を好む傾向である関係か、ガーリー系やエレガント系の服はあまり売っておらず、
デパートで高い値段を出さないと買えないため、そういう服装が好きな人には大ダメージです。
台湾はスーパーの食材がイマイチで、ローカルなスーパーのものでさえ、肉や魚・野菜など殆どが日本のものよりも値段は高いのに残念クオリティです。
台湾には、日本のものも沢山売っており、海外で日本のものが購入できるというだけでありがたい話なのですが、輸入品なので値段が高いです。
日本には良いモノだけでなく、プライスレスな水と空気と清潔さがあります。
日本では当たり前のように水や空気が綺麗で、街が綺麗で、トイレに紙も流せますが、それは台湾では当たり前ではありません。
台湾は日本と近いし日本に似ているので、「日本と同じような生活ができるのでは?」と思ってしまいがちなのですが、
台湾に嫁ぐなら、日本で当たり前だと思っていた、「いつでもおいしい空気が吸えて、道が綺麗で、安くて良いモノが買える」という生活クオリティは、捨てなければいけません。
この日本で当たり前だった生活を変えるのは人によってはかなり厳しいものがあると思いますので、覚悟しておかなければいけません。
家族に頻繁に会えない
台湾から日本は約3時間のフライトであり、海外の中では非常に近い国です。
ヨーロッパやアメリカに嫁いだ人に言わせれば、日本には全然すぐ帰れる距離かもしれません。
今ではLCCも普及していますし、値段的にも気軽に帰れます。
しかし、どれくらいの頻度で日本に帰れるかというのは、旦那様や嫁いだ先の状況次第です。
裕福で、かつ日本帰国に理解のある旦那様であれば、日本に頻繁に帰ることが出来て実家に顔を出せるかもしれませんが、
経済的に余裕がない場合には交通費を考えると1年に1回帰れるか帰れないかという状況にもなりかねませんし、
裕福であっても妻が夫を置いて一人で日本へ帰国することに理解がない場合であれば気軽に帰国することは難しくなります。
仮に1年に3回も日本に帰ることが出来たとしても、それでも日本に住んでいる場合に比べたら家族に会う機会は少なくなります。
台湾人は家族を大切にするので、夫の家族と会う機会は非常に多くなるでしょう。
義理両親孝行が出来て良い事なのですが、ふと「自分の家族にはこういう風に、一緒に過ごしてあげられないなあ」と、不公平感を感じることがあります。
私は、「海外に嫁ぐんだから、自分の家族と会えなくなるのは当然だ」と割り切って覚悟を決めて嫁いたつもりでしたが、
今回祖母がなくなり、祖母が生きているうちにあまり会えなかったという後悔が残りました。
「自分の家族に頻繁に会えない」という事は、家族が元気で生きているときなら意外と何も思わないものですが、
いざ亡くなってしまうと「ああ、もっと頻繁に会って話をしておけば良かった」と思うのです。
悲しいですが、海外に嫁ぐ前にこう言う事態も想定して覚悟しておかなければいけません。
友人をリセットする覚悟
日本の家族ですらほとんど会えなくなるのですから、日本の友人たちには更に会えなくなります。
幼馴染や、10何年付き合ってきて自分のことを理解してくれていて気も使わない最高な友人たちとも、
気軽に会う事は出来なくなります。
今の世の中、LINEなど便利な連絡手段は増えましたが、やはり実際に会って話をしたり、一緒に出掛けたりという機会はほとんどなくなります。
友人の結婚式に参加したりも、できなくなるかもしれません。
結婚を機に日本の友人たちとの友人関係が終わるわけではありませんが、確実に疎遠にはなります。
悲しいですが、それは覚悟しておかなければいけません。
いざという時一人ぼっちになる可能性がある
私は台湾人に嫁いだので、当たり前ですが義理家族は全員台湾人です。
仮に家族内で揉め事が発生したとき、台湾人と日本人の価値観や考え方の違いから、
日本人である自分の意見を支持してくれる人は誰もいないという、精神的に「一人ぼっち」な状態になる可能性があります。
私は、非常にお国柄が出る台湾での結婚式の準備の際に家族内で揉めて、私以外の台湾家族全員からブーイングをされたことがありました。
あの時、私には全員が敵に見え、自分の味方は台湾に誰一人いないのではないかというような、強い孤独を感じました。
私の義理家族たちは、普段から嫁の私をいびったりするような悪い人ではありません。
むしろとても優しく、自分の本当の娘のように思っていてくれている程です。
しかし、お国柄が出るイベントなどでは台湾人と日本人である私とではやはり考え方の違いから、意見が違ってしまいます。
私以外は全員台湾人ですので、必然的に私の意見は「少数派」であり、「おかしなことを言っている人がいるぞ、台湾人はそんな風に考える人は居ないのに」と言われても不思議ではないのです。
そんな時、自分の日本の家族が傍に居れば、「いやいやkeddyの意見はおかしくなんかないよ、普通じゃないか」と思ってくれるかもしれませんが、家族は遠く離れた日本にいます。
いくら辛くて悲しくて孤独でも、「ちょっと実家に帰って親兄弟の顔を見て癒されてくる」なんてできません。
どんな状況下でも、自分一人で戦わなければいけません。
そんなとき、ダーリンが味方してくればまだいいのです。
実際に、結婚式準備で揉めた際にはダーリンが全面的に私の味方で居てくれたことが唯一の救いでした。
しかし、夫婦なので喧嘩するときもあります。
ダーリンと喧嘩してしまったら、本当に一人ぼっちです。
夜中に家を飛び出しても、行くところもありません。
日本に居る家族の顔や、10年来の友人の顔が頭を過り、涙が出るかもしれません。
被害妄想が広がり、皆が敵に見えてくるかもしれません。
そんなことも、海外に嫁いで長く生活していたらもしかしたら1度や2度、あるかもしれません。
ないなら無いに越したことはなく、平和で皆仲良く暮らしていけるのが一番良いのですが、
人間ですから、100%ないとも言い切れません。
仮に精神的に一人ぼっちになったとしても、強く生きていく覚悟が必要です。
親の死に目に会えない可能性がある
今回私は祖母の死に目に会うことが出来ませんでしたが、「家族の死に目」について考えさせられました。
国際結婚で海外に住むと、親の死に目に会えない可能性が非常に高くなります。
飛行機を使って行かないと行けない距離になるのですから、そうなってしまいます。
台湾は日本から飛行機で3時間という近い国とはいえ、飛行機に乗って国を越えるという事は1日がかりの移動になっていしまいますので、
「家族が危篤!」となった時に駆け付けて間に合う可能性というのは低くなります。
国際結婚の場合はほとんどが永住になると思うので、自分の親が歳を取って弱っても自分は海外にいるわけです。
いざという時、日本に駆け付けられるかどうかはその時の状況次第であり、死に目に会えるかどうかはわからないのです。
国際結婚には様々な覚悟が必要
台湾と日本は同じアジアで近い国で、似ているようなところもありますが、やっぱり外国は外国です。
それに私たち女性は、「台湾人に嫁ぐ=家族の団結が強い台湾人家族の一員となってその家族の中に入り込む」という事になりますので、
脅すわけではありませんが、やっぱり日本人と結婚するよりは大変な事は沢山あります。
これから先仕事が不安定なダーリンが転職したり子供が生まれたり親が介護になったりしたら、更に色々な問題も出てくることでしょう。
「将来、何があっても強く生きていかなければ」という覚悟を持っていなければ、国際結婚はやっていられないと思います。
台湾生活は普段は平和なもので、ダーリンと二人でのほほんと暮らしておりますが、
「実際問題、こういうこともあるよ!だから嫁ぐ前にある程度覚悟しておいた方が良いよ!」というお話でした。
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