台湾でたまに耳にする、本省人・外省人って何?ダーリン一家が外国人の私との結婚をすんなり許した理由が今明かされる!?
こんにちは、keddyです。
この前私の家族の写真を台湾人の友達A子に見せていた時、彼女とこんなやり取りをしました。
A子:「keddyの旦那さんのお母さん、外省人っぽいけどそう?」
私 :「うんそうだよ、正確には客家人とのハーフだけど」
A子:「そうなんだー、やっぱりね~外見が外省人っぽかったから」
私 :「え~そんなの外見でわかるものなの?」
A子:「わかるよ~~」
私 :「そうなんだーすごい!A子のおじいちゃんも外省人だよね?」
A子:「そうそう~」
さらっと交わされたこの会話で出てくる「外省人」というこの言葉、台湾ではたまに出てくる言葉ですが、台湾の歴史に無知だった私は結婚するまで何の事だかよくわかっていませんでした。
結婚してから外省人、そしてその言葉の対になって出てくる本省人という言葉の意味をダーリンから教えてもらいました。
うちの家族にも絡んでくるこの外省人と本省人のお話、意味が分かるとうちの家族にある色々な問題がどうして起こっているのか更に理解することができました。
今回はこの外省人と本省人について少し書きたいと思います。
スポンサードリンク
本省人・外省人って何のこと?
外省人とは
外省人とは戦後に中国大陸からやってきて台湾に移住した人達のことです。
当時中国大陸で国民党と共産党の内戦があり、国民党は負けたので台湾に逃げて(?)来て、元々は大陸に帰る予定だったのが色々な理由でそのまま台湾に残ることになり移住という形になったらしいです。
中国語を話し、台湾語は話せません。
本省人とは
本省人とは戦前から台湾に移住して住んでいる人達の事です。
本省人には2種類あり、福建系(ほとんど)と客家系(少数)にわかれます。
本省人(福建)は台湾語を話し、本省人(客家)は客家語を話します。
沢山の民族がいる国、台湾
ちなみに台湾には外省人と本省人(福建系と客家系)、更に原住民がいます。
日本は単一民族国家なので、一つの国に色々な民族がいるという複雑さに驚きです。
私:「え?台湾にいるのはみんな”台湾人”じゃなかったの?(´゚д゚`)ポカーン」
ダーリン:「僕も皆”台湾人”だと思ってるよ。今は自分が○○人だと意識している人は少ないし、相手の事を○○人だからどうのと判断する人は僕的にはありえない!」
ダーリン曰く本省人、外省人と区別するのは今ではいけないことだそうです。
ちなみに今の台湾の人口グループ比はこんな感じらしいです。
本省人(ホーロー人約74%、客家人約12%)という漢族と原住民の混血86%;外省人12%;原住民:2%
文化人類学による区分を行うと南島語族の台湾原住民とシナ・チベット語族の漢族に大分されホーロー人、客家人、大多数の外省人は後者に属する。 Wikipediaより
上のホーロー人というのは福建人のことです。
私と関わる外省人・本省人のお話
ダーリンは何人?
ダーリンはいったいどこ由来なんだろう?と気になったので聞いてみました(笑)
まずダーリンのパパのほうを見てみると、パパ方の(私から見た)祖父も祖母も本省人(福建)です。
そしてママの方はというと、ママの方の(私から見た)祖父は外省人、祖母は本省人(客家)です。
なのでパパの血は100%本省人(福建)です。確かにむこうの親族全員台湾語で話します。
そしてママの血は50%外省人、50%本省人(客家)です。ママたちは中国語で話します。客家語は難しすぎてママは話せないそうです(笑)
そしてそして!そのパパとママの血を半分づつ受け継ぐダーリンは、50%本省人(福建)、25%本省人(客家)、25%外省人ということになります。
ダーリン家族、なんて複雑!!!笑
ダーリンは本省人の福建と客家と更に外省人の混血だったんですね~。
そして更に私が加わったことにより、私とダーリンの子供は50%日本人で・・・うぉう!複雑☆
まあ50%日本人、50%台湾人でいいです(笑)
いろんな民族、皆仲が悪かった
実はこれらの色々な民族たち、昔は仲が悪く色々とあったようです。
外省人が台湾に来た頃、本省人のことを虐げたのが原因で外省人と本省人は仲が悪いです。
じゃあ本省人は皆仲がいいのかというとそうでもなく、福建系と客家系は仲が悪いらしいです。
今ではダーリン世代はダーリンのような混血もいるしあまり何人と気にする人はいなくなったようですが、昔は皆気にしまくりだったので、ダーリン一家にもこの事で一悶着もふた悶着もあったようです。
祖父と祖母は無理やり結婚させられた!?
まずママ方の祖父は外省人、祖母は本省人ですが、当時は恋愛結婚の時代ではなく親同士が結婚相手を決める時代だったようで、祖父母の結婚も無理やりきめられたようです。
ダーリン曰く当時外省人はお金持ちが多かったのでお金が理由での結婚も多く、うちももしかしたらそうかもしれないと言っていました。
ダーリンの祖父母は私が見る限り仲が良さそうですがうちは上手くいっているほうだそうで、そうでないところもあるようです。
例えば冒頭で出てきた友達A子の家は祖父(外省人)が祖母(本省人)を召使のようにこき使ったそうで、祖母は子供が巣立ってから耐えられなくなりずっと別居しているようでした。
私はA子の祖母も知っているのですが、私がA子の家に泊まりに行った時の夜、涙ながらに辛かった当時のことを語ってくれたのが忘れられません。
ダーリンのママは結婚当初外省人ということで苛められていた!
ダーリンのパパとママは恋愛結婚ですが、パパの一族は皆本省人なので結婚する際に外省人のママと結婚することを家族に猛反対されたそうです。
ママは正確には50%外省人、50%本省人(客家)ですが、昔は「父親のほうを引き継ぐ」という考え方があったそうで、父親が外省人ならその子供も外省人だとみなされることがあったようです。
ママの場合はその他の50%の血も本省人とはいえ客家なので、福建のパパ方親族にしたらどちらにしろ好きにはなれなかったようです。
本省人一族に囲まれ一人外省人のママはパパ一家に嫁いでから苛めにあい、今ではほぼパパ方のほうの親族とは連絡を取っていません。
ママ方の親族とパパ方の親族が仲が悪いというのは知っていましたが、過去にこんな理由があったからかと納得がいきました。
ちなみに私は以前「考え方が合わなすぎるから仲が悪いんだよ」と説明を受けていましたが、確かに考え方は全く違うのですが、過去のこの理由を説明するのは外国人の小娘にとっては話が重いかもしれないと配慮して私には話さなかったのかもしれません(笑)
複雑なダーリン一家、だからこそ・・・
何だか色々な民族が複雑に絡み合っているダーリン一家、ママもパパも祖父母たちも皆それぞれこの民族問題で過去に苦労してきたのです。
そこで私は思いました。
だからこそこの外国人の私をすんなり受け入れてくれたのかなぁ、と。
「台湾人の家庭は嫁が外国人というのに抵抗があり、外国人との結婚に反対する」と噂で聞いていたので(実際にあるらしいです)、ダーリン一家はなんで私との結婚に何も反対しなかったんだろう、と結婚当初不思議に思っていました。
単純に親戚にアメリカ人がいたり(ママの妹夫婦はアメリカに移民しています)、海外旅行が好きでグローバルなんだと思っていたのですが、それだけではなかったのかもしれないなぁ、と台湾人に嫁いだ嫁は色々と考えさせられたのでした。
ま、今時の若者ダーリンは自分がどこ由来かなんて1ミリも気にしちゃいないんですけどね(笑)
Comment
[…] ▼台湾でたまに耳にする、本省人・外省人って何? […]